「アスベストを含んでいる言われ高額な廃棄費用を請求された」
「塗装すれば大丈夫と言われたが直ぐダメになった」
「修理を繰り返したあげく最後に葺き替えを勧められた」など、かわらUに関するご相談を頻繁に受けます。
このページでは、このような被害を減らすため知識の無いお客様でも分かる【かわらU】にアスベストが含まれているかどうか見分ける方法を説明します。
1:屋根表面の痛み方で見分ける方法
セキスイかわらUは、アスベストを含んでいるかどうかで見た目が全く変わります。
1-1:屋根全体、見た目の違い
遠くから見ても分かる屋根の白化現象。
アスベスト有り | 部分的な剥がれはあっても全体的な剥がれは見られない |
アスベスト無し | 剥がれた所が多く屋根全体で白化現象が見られる |
セキスイかわらUは、1991年にゼロアスベスト化(完全無石綿化)されて以降のタイプに、屋根材の白化現象や剥がれが起きるようになりました。
(セキスイでは無石綿タイプをゼロアスベストと呼んでいます)
1-2:剥がれ方が違う
部分的な剥がれなのか? 連続した剥がれなのか?で違いが分かる。
アスベスト有り | 屋根の剥がれは部分的にしか見られない |
アスベスト無し | 山部・谷部など関係なく剥がれが見られ、剥がれた部分が広範囲だったり連続している |
広範囲に及んでいる場合はアスベスト無し。
有機繊維強化セメント瓦の「かわらU」は、1991年に繊維をアスベスト(石綿)からビニロンに変更。
無石綿化したことで屋根材自体の強度低下が弱くなってしまいました。
右写真は、剥がれた部分にコーキング修理された事例ですが、コーキングや塗装は表面の化粧層を保護したように見えるだけで一時的な効果、または気休めにしかなりません。
この状態では修理や塗装をしても直ぐダメになります。
(アスベスト含有タイプの写真は、お客様より送られた写真)
1-3:剥がた部分の深さが違う
剥がれた部分が単層か複層かで違いが分かる。
アスベスト有り | 表面の化粧層が剥がれていますが中の基材はしっかりしています |
アスベスト無し | 化粧層も中の基材も関係無く、全てがバラバラに剥がれています |
剥がれた部分が化粧層だけの場合は塗装対応が可能です。
剥がれた部分の深さが基材の芯部まで達している。あるいは何層も剥がれている場合は、アスベスト無しのタイプです。
この状態になると修理は不可能で葺き替えるしか方法がありません。
2:屋根表面の網目模様で見分ける方法
かわらU表面に網目模様があれば100%ゼロアスベスト。
アスベスト有り | 屋根表面がツルツルしていて何の模様もありません |
アスベスト無し | 屋根表面に網目模様がある物と、ツルツルしている物の2タイプあります。 |
屋根材表面に網目模様があれば、100%ゼロアスベストタイプです。
この網目模様は1994年以降のゼロアスベスト後期の製品に見られ、近くで見たり手で触る事でも確認でき、屋根塗装した後でも分かります。
ゼロアスベストタイプでも網目模様の入っていないタイプもあります。
1991年~1994年の製品には網目模様がありません。
3:笠釘と棟固定ネジで見分ける方法
棟固定ネジが使われていたら100%ゼロアスベストタイプです。
アスベスト有り | 笠釘が使われている。 |
アスベスト無し | 笠釘または棟固定ネジが使われている。 |
棟固定ネジが使われている場合は100%ゼロアスベスト。
棟固定ネジは、1994年以降のゼロアスベスト後期の製品に見られます。
笠釘の場合は、アスベスト有り無し両方の製品で使われていましたが、1994年以降は棟部では使われず袖瓦のみで使われるようになりました。
4:丸棟瓦の長さで見分ける方法
丸棟瓦の長さを見れば違いが分かる。
アスベスト有り | 1m位の長さがある。かわらU1枚(4山あるもの)と同じ位の長さがある |
アスベスト無し | 50cm位の長さがある。かわらU1枚(4山あるもの)の半分ちょっとの長さがある |
丸棟瓦の長さが、かわらU本体1枚の半分程度であれば100%ゼロアスベスト。
丸棟瓦の長さが、かわらU本体1枚と同じ程度の長さであれば100%アスベスト含有タイプです。
注意:丸棟瓦の長さ比較は丸棟瓦の場合であり、片丸棟瓦との比較ではありません。
片丸棟瓦と丸棟瓦(同じ家で使われていた物で比較)
片丸棟瓦は片流れ屋根で使われる役物で、アスベストを含むタイプと含まないタイプで長さは変わりません。
5:袖瓦の高さで見分ける方法
袖瓦の高さ(長さ)を見れば違いが分かる。
アスベスト有り | 袖瓦の高さ(長さ)が10cm程度で短い |
アスベスト無し | 袖瓦の高さ(長さ)が13cm程度で長い |
袖瓦は、屋根のけらば部で使われる役物。(下写真参照)
アスベストを含むタイプは高さが低く、アスベストを含まないタイプは高くなっていて、3cm程度の差があり判別し易いです。
また袖瓦を固定するため側面に打たれた笠釘の位置にも違いがあります。
アスベストを含むタイプは中間部に打たれていますが、アスベストを含まないタイプは中間より上部に打たれています。
「かわらU」からガルバリウム鋼鈑屋根への葺き替えにご注意!
「かわらU」を葺き替える場合、最も多く選ばれているのはガルバリウム鋼鈑ですが、ガルバリウム鋼鈑は施工不良が多く起きている屋根材でもあります。
「ガルバリウム鋼鈑 失敗」「ガルバリウム鋼鈑 後悔」というワードを調べるお客様も多くいらっしゃいますが、施工不良の原因は殆どの業者が屋根材メーカーの規定に従った工事をしていないからです。
工事完了後に雨漏りで悩まされたあげく再葺き替えになる例は少なくありません。
また、屋根勾配に合わない屋根材に葺き替えた場合にも雨漏りは起こります。
「かわらU」からガルバリウム鋼鈑への葺き替えをお考えの場合は、正しい工事方法を行い、屋根勾配に適した屋根材を勧めてくれる業者に依頼するようにしてください。
「かわらU」でお悩みの場合は屋根無料見積.comへお問合せください。
積水化学工業認定屋根診断士をしていた専門家がアドバイスさせて頂きます。