瓦屋根を軽くしようと板金屋根(ガルバリウム)に葺き替えたら雨漏りを繰り返すようになった。
「何度修理しても直らないので嫌になった」というお客様からの再葺き替え依頼です。
板金屋根の工事がいい加減で雨漏りしたという相談を良く受けます。
通常は、工事から時間が経っていない事が多く保証期間もあるので今後の事を考え「業者さんとの関係が悪くならないよう上手く付き合っていって下さい」とアドバイスするしかありません。
しかし殆どの場合、工事がいい加減だからトラブルが起こるのであって、どの時点で再工事しようと考えるか?
それはお客様の我慢がどこまで続くかで変わってくるようです。
今回の場合は、何度修理しても直らないので専門の所に頼んだ方が良いと再葺き替えを決断されたようです。
板金屋根(ガルバリウム)の棟包みを外してみたら
雨漏りしている屋根の棟包みを外してみました。
右写真は、棟包み内部にある笠木を外した状態ですが、棟廻りの屋根本体の色が変わっていました。
ここから雨水が入り込んでいたという証拠です。
雨漏り原因
写真左:雨漏り原因は、①の棟中心部からの雨水侵入。
②はケラバという部分ですが、棟部分から流れてきた雨水は棟中心部に入り込まないよう屋根本体を加工してケラバへ流れるようにする必要があります。
ケラバへ流れた雨水は、屋根本体の下に入れ込まれた雨樋の役目をする捨板を流れ、そのまま雨樋へと流れて行きます。
この工事では、必要な捨板が取り付けられていなかったので屋根本体の裏面に雨水が流れ込んでいました。
それを止めるためコーキングを何度も塗って修理した跡が残っています。
中写真は、ケラバ部分に本来取り付ける必要があった捨板です。
左写真はケラバ部分の長さが短いため、捨板を取り付けなくても大丈夫だろうと考えたのかもしれませんが、どんなに短い長さであったとしても必要部材を取り付けていないと雨漏りの原因になります。
右写真は、棟の中心部に雨水が入り込まないよう屋根材本体を上方向に立ち上げ加工してある写真です。
そこから流れてきた雨水はケラバカバーの下にある捨板へと流れ込むようになっています。
左写真①は、棟中心部へ雨水が流れ込まないような加工が何もされていなかったので、この部分も雨漏り原因になっていました。
良く見られる施工不良例
この写真は、こちらの屋根ではありません。
一見キレイに仕上がっていて何の問題もないように見えるかもしれませんが、これも確実に雨漏りする施工例です。
左写真:これは、こちらの屋根と同じで棟廻りから雨水が入り込まない本体加工がされていませんでした。
中写真:これも同じ棟廻りの本体加工がされていません。
右写真:これも同じですが、良く見て頂くと分かりますが棟包みを固定するため通常は横方向から中の笠木に釘で止めるところ、この工事では真上から屋根本体に脳天打ちされています。
ここに載せた写真は決して特別な写真ではなく、多くの業者が普通に行っているものです。
板金屋根(ガルバリウム)の再葺き替え完成
瓦屋根から葺き替えて雨漏りしていた板金屋根(ガルバリウム)の再葺き替え完成です。
今回、お客様は前回の葺き替えで「何故雨漏りしたのか?」教えて欲しいと希望されていました。
実際に屋根に上がって頂き、上記の理由を説明させて頂いたことで工事方法の違いに安心されたようです。