業者から「屋根に苔が生えていて寿命だ」と頻繁に声を掛けられる。
「通り掛かったか業者に屋根の汚れが酷い」など”屋根の痛み”が気になるので診断して欲しい。
また、
「スレート屋根独特の劣化が気なっていたが雨漏りしたきたので見てもらいたい」
というご依頼を頂く事があります。
このページでは業者に指摘され、お客様自身も気になっている「屋根の苔」「屋根の汚れ・劣化」など”屋根の痛み”について、原因・問題点・対処法について説明します。
1:屋根の苔・カビ
屋根寿命に影響する屋根の苔・カビ。
苔が生えた部分を拡大してみると
下と上の屋根材が重なる部分:下の屋根材裏面に入り込んだ雨水が流れ出てくる部分に苔が邪魔をするように生えているのが分かります。
苔が生える原因 | 立地環境や屋根勾配による影響。 塗料が剥がれてくると屋根材が湿気を含み易くなり発生する。 |
苔の問題点 | 見た目が悪い。 屋根材が重なる部分を苔がふさぐことで毛細管現象による雨漏りを起こし易い。 砂や埃などが溜まりやすい。 |
対処法 | 苔・カビの除去。 または屋根葺き替えorカバー工法。 |
ワンポイントアドバイス | 苔・カビの生えた屋根は非常に滑りやすくなっているため、屋根に登ると落下する可能性があり非常に危険です。 |
1-1:高圧洗浄で苔を落としてみた
スレート屋根に生えた苔・カビを除去するため高圧洗浄してみました。
2枚目の写真では、どれくらい変化するか分かり易いように右側のみ高圧洗浄してあります。
きれに落ちているのが分かりますね。
高圧洗浄後どうするのか?
塗装可能なら屋根塗装もOkですが、あまりお勧めできません。
それは苔が多く生えている屋根は築年数が経過していることが多く、屋根に他の痛み症状が見られる事も多いため塗装では対応できないからです。
あと何年くらい屋根を持たせたいかによって下地の状態を診断して屋根葺き替えまたはカバー工法する事をお勧めします。
1-1-1:苔・カビを落として屋根塗装してみた2例。
この写真は5年前に塗装、雨漏りしてきたので防水塗装屋に見てもらったら屋根塗装でOKと言われたそうです。
納得できず屋根裏を見てみたら・・・・野地板が黒く変色し雨水が漏れていた。
他社にも見てもらっても、どこも塗装で直ると言われたそうですが野地板が全てボロボロに腐っていました。
こちらの屋根は、前回も雨漏りしていたそうですが屋根をコーキング修理して塗装したそうです。
塗装方法が悪く縁切りしてないどころか、雨水を逃がす穴を空けただけで、それ以外を全て塗料で埋める施工。
そんなに都合良く雨水が逃げる事はできません。⇒当然雨漏り。
1-1-2:ひどい苔・カビ。
こちらの2件は、屋根全体を苔がおおっていて、あまりに酷い状態です。
左側のお宅は屋根からの雨漏りで屋根裏面の軒天が腐って剥がれ落ちていたので葺き替えさせて頂きました。
2:屋根塗装の剥がれ・色あせ
屋根塗装の剥がれ・色あせの原因 | 屋根塗装の間隔が長く空いたため、または屋根材が傷んで塗装が剥がれ易くなっている。 |
剥がれ・色あせの問題点 | 見た目が悪い。 |
対処法 | 屋根葺き替えまたはカバー工法。 |
ワンポイントアドバイス | 築年数が20年以上の場合は経年劣化により他の部分も傷んでいる可能性が考えられ、屋根自体の張り替えが必要になります。 |
2-1:塗装が剥がれて汚い!
左写真:「業者にみてもらったら隙間から雨が入り込んでいて屋根裏に雨漏り跡もある」と言われた例。
右写真:「雨漏りして天井裏に白カビが生えていると」と出入りの業者に勧められた例です。
どちらも塗膜がボロボロに剥がれて汚くなっていたので屋根をガルバリウム鋼板屋根に取り換えさせて頂きました。
2-2:塗装が色褪せて汚い!
左写真:「コロニアル屋根の汚れがひどい」とご依頼頂いた例で、一度工事したら当分工事したくないというご希望でした。当サイトの売り、一時防水重視の工事をさせて頂きました。
右写真:「雨漏りした後の状態や外観の古さも気になる」という依頼例で塗装で対応できる状態ではありませんでした。
3:屋根の痛み-屋根材編
3-1:差し棟の剥がれ
寄棟のコロニアル屋根、屋根の痛みはコロニアル本体が割れて剥がれた影響で差し棟がバラバラになった事が原因でした。
本体が剥がれた影響で軒先部分の下地が広範囲に腐っていたので傷んだ木部を取り換えてから、下地を全て増し張りして屋根を葺き替えました。
3-2:屋根材の剥がれ
この屋根は、左写真がニチハのパミールで右写真がセキスイかわらUです。
どちらの屋根もアスベストを抜いた(無石綿化した)影響で屋根材自体がボロボロに剥がれてしまうため、屋根の痛みが気になります。
屋根塗装しても直ぐに剥がれてしまうため屋根を取り換える以外に方法がありません。