屋根がボロボロなのに、どうして業者は塗装を勧めたのだろう?
屋根の傷みが気になって業者に見てもらったら屋根塗装を勧められた。
これで大丈夫と思っていたら、わずか数年で前より酷くなってきたので同じ業者に見てもらったところ今度はカバー工法を勧められて契約した。
屋根ってこんなに早く傷むものなの?
廻りの家はまだ何もしていないのに、どうして家だけ傷むのだろう?と疑問を感じて調べてみたら
屋根がパミールだと分かり、直ぐに傷んでしまった訳も分かった。
でも、こんなに傷みやすい屋根なのに、どうして塗装を勧め、さらに今度はカバー工法を勧められている。
さらに調べていくうち、パミールはカバー工法ではなく葺き替えが適切な工事法だと分かり不安になったとご相談頂きました。
数日後に工事が始まるとの事でしたので、業者さんと相談しながら上手くお勧め下さいとお伝えしたのですが・・・
契約を破棄してきたので屋根を見て提案して欲しいと連絡を頂いたのでした。
お金が掛かるばかりで適切な工事方法を勧めてくれなかったことにも不信感を抱いていたようです。
パミール屋根の症状
パミールは1996年に無石綿化されて以降、層状剥離により屋根材本体が薄く剥がれてボロボロになる症状と、パミール本体を固定するために使われていた釘がボロボロに錆びて屋根材が抜け落ちるという2つの症状があります。
こちらの屋根、塗装したことにより屋根表面は綺麗に保たれていますが層状剥離により剥がれた基材が内側から表面の1枚を押し上げ⇒浮き上がる症状が表れていました。
パミール屋根の張り替え工事
パミール張り替えのためパミールを撤去しています
左側の写真を良く見て頂くと、屋根を剥がしている職人の足元が濡れているのが分かるでしょうか?
これは雨が降ったからではなくパミールの結露により起きています。
右側の写真では結露によって付いた黒い染みがあちこちに見られます。
実は、こちらのお客様は当サイトで「パミールは結露が起こり易い屋根材のためカバー工法より張り替えが望ましい」という説明を読んで不安になっていました。
パミールを固定するために使われていた釘は、一部に耐食性表面処理(ラスパート処理)のメッキ厚が薄いものがあり、結露によって釘が腐りパミール屋根が抜け落ちる問題が生じていたからです。
この問題もあり、パミールのメーカーであるニチハでは現在、屋根材を固定するネジを全てステンレスに変えているのですが、屋根業者の中には鉄製の釘やネジを使いカバー工法工事する業者もいます。
そうするとパミールと同じように固定するために打たれた鉄製の釘やネジが錆びて屋根材が剥がれる可能性があるのです。
通常より、10年・20年屋根を長持ちさせる工事内容
こちらのお客様が不安になった原因には「専門業者でないと取付後の屋根寿命に差が出ることを知ってしまったから」というものもありました。
ガルバリウム鋼板屋根を工事する業者は多くいますが、工事後の雨漏りトラブルを心配するお客様は少ないと思います。
ですが工事トラブルによる修理や張り替え工事が増えていて5年、10年で再度張り替えが必要になるなど屋根寿命を縮める原因になっているのです。
屋根寿命を延ばし長持ちさせるためには屋根材メーカーの施工基準に沿って工事する必要があります。
上写真の2枚目は、棟部分で屋根材本体を上方へ立ち上げ加工することで雨水が入り込まない工事がされていますが、1階部分でも壁際の雨押えや谷部でも雨水が侵入しないよう工事されています。