通りがかりの業者に「屋根が傷んでいる」と良く声を掛けられるというお客様からのご依頼。
傷んでいると言われても、屋根には一度も上がらせた事は無いそうです。
なぜ、通りがかりの業者を屋根に上がらせなかったのか?
こちらのお客様は、通りがかりの業者=いわゆる訪問販売業者は「何をされるか分からないので怖い」と考え屋根に上がらせなかったそうです。
通りがかりの業者の中には善意で声を掛けてくれる誠実な人もいますが、多くの場合そうではないようです。
そこで今回は、悪質業者の手口についてご紹介したいと思います。(スレート屋根の場合)
業者は「近所で工事していたら見えたので」とか、「車で通りすがりに見えた」などと声を掛け、詐欺まがいの手口でお客様を騙そうとしたそうです。
1:故意に屋根を壊す
●屋根本体
屋根本体もそうですが、谷やケラバ廻りはスレート本体の下に役物が入っているため特に割れやすい部分です。
ここを故意に踏んで割った後に証拠写真としてお客様に見せて工事を勧める悪質な業者もいます。
●棟部
屋根の棟部は、年数が経過するに従って内部にある笠木が腐ることで浮き上がってきます。
そのため棟を力任せに持ち上げ「屋根の棟が浮いているので雨漏りしますよ」などと不安を煽る業者もいます。
笠木が傷んでくると棟包みの側面に打たれた釘も抜け始めている事が多く、強風で飛ぶ可能性があると修理を勧め高額な修理費用を請求されることもあります。
2:関係ない写真を見せる
屋根が傷んでいなくても、カメラに保存しておいた写真を見せ修理を勧める悪質業者もいます。
このような業者は、きちんとした修理方法を知らない事が多く、修理方法は何もしていないのと同じだったり、繰り返し修理を勧めてくる事もあるので注意が必要です。
実際に屋根は傷んでいたのか?
屋根を見てみると、業者が指摘したように酷い傷み方をしていました。
塗装した塗膜は殆ど剥がれ、屋根全体はコケやカビで覆われていました。
二段屋根になった部分の軒天(屋根の裏側)は雨漏りで剥がれ落ちていましたが、後日屋根を剥がしてみると新築時の工事に問題があったことが分かりました。
雨漏りしたのは、メーカー施工基準に沿って行うべき本体加工がされていない事が原因でした。
ガルバリウム鋼板で屋根葺き替え
野地板は雨漏りで腐っている所があったのでカバー工法ではなく葺き替えることになりました。
新しい屋根材はガルバリウム鋼板の横暖ルーフ、メーカー規定を超える二重の安全策を施しました。
腐った軒天を張り替え、塗装はがれが酷かった破風板・鼻隠板はガルバリウム鋼板を加工して全てカバー、雨樋も取り換えました。